こんにちは、やらはりさんです。
今日も50人部署のすみっこで、お客さま対応をしているハリネズミです。
今回は、いよいよ避けて通れないこのテーマ。
◆それ、カスハラじゃないですか?
ある日のこと。
とある男性のお客さまから、電話口で怒声まじりのクレームが。
オペレーターさんが、精一杯の冷静さで言いました。
「そのような大きな声を出されますと、これ以上対応することができません。」
一旦、相手のトーンは下がったものの、対応が終わりかけたそのとき。
◆「大きな声って、どれくらいのことなの?」攻撃
「あなた、さっき“大きな声”って言ったよね?」
「どれくらいの声を“大きな声”って言ってるの?」
「何デジベル(dB)以上からが大きな声なの?答えてくれないとわからないでしょう?」
「それってあなたの主観でしょ?」
……これはもう、「音量」じゃなくて「揚げ足の取り合い」です。
オペレーターさんは正確なdB(デシベル)の基準を持っているわけでも、騒音測定器を持っているわけでもありません。
◆それ、会話じゃなくて詰問です
このやり取り、もう「会話」ではなく「尋問」に近い状態。
オペレーターの冷静な注意すら、「攻撃材料」にしてくる。
対応中のオペレーターさんは言葉を失い、
最終的には上席からの「終話指示」で、やむを得ず電話を切ることになりました。

◆“何デジベルですか?”に答える必要はありません
ここで大事なポイントは一つ。
「あなたの主観でしょ?」と言われても、主観で問題ないということ。
「大きな声」とは、相手の声量そのものというより、**“心理的な圧力”を伴う話し方や態度”**のことを指します。
つまり、“不快を感じるかどうか”“通常の会話の範囲かどうか”は、受け手側の判断でよいのです。
◆心を守る言い換えと「主観バリバリ」でもOKな理由
「何デジベルなの?」「それ主観でしょ?」――
こうした詰問には、論理で返そうとすると消耗戦になります。
でも、カスハラの定義において重要なのは“受け手がどう感じたか”。
だから、“主観バリバリ”で全然OKなんです。
✔ 改善した言い方(おすすめ)
「そのような大きな声を出されますと、私、恐怖を感じていますので、これ以上対応できません。」
この一文を足すだけで、
単なる業務上の“注意”ではなく、人としての「防衛」表明になります。
「恐怖を感じている」という言葉は、相手の正当性ではなく、こちらの感じ方に重きを置くもの。
だから「あなたの主観でしょ?」と言われても、その通りですと堂々と返せるのです。
✔ その他の類似パターンもおすすめ
- 「恐れ入りますが、私、不安を感じておりますので…」
- 「感情的なお声を受けて、精神的な負荷が大きくなっております。」
- 「冷静な会話が成立しにくいため、対応を終了させていただきます。」
◆主観であることを怖れない
「怖い」「不安」「動揺している」――
これらは事実ではなく感情。
でも、感情が無視される現場に安全な対話はありません。
だから、はっきり伝えましょう。
「私は、今のやり取りに恐怖を感じています。」
これは、正当な対応の一部です。
むしろ、自分とチームを守る言葉です。
◆まとめ:デシベルではなく、心の警報を大切に。
カスハラを数値で測ることはできません。
でも、あなたの心のセンサーは、いつでも正直です。
「私は恐怖を感じています」
その言葉ひとつで、あなたの安全も、対応の限界も、伝えることができます。
マニュアルより、自分の感覚を信じて大丈夫。
言葉のプロとして、そして人として、心を守る選択を。
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ゆりあ先生の赤い糸 入江喜和

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